学習の秘訣

英語トリヴィア  検定試験のいろいろ② IELTS Academic

IELTS Academic (International English Language Testing System, Academic Test)

TOEFL iBTと並ぶ留学準備組御用達試験。ブリティッシュ・カウンシル、ケンブリッジ大学英語検定機構、IDPの共同運営。リスニング、リーディング、ライティング、スピーキングの4技能の英語力測定試験で、各技能が0〜9の9段階(0.5刻み)で評価される。

TOELF iBTがインターネットや自動採点プログラムなどを駆使する現代的な試験であるのに対して、IELTSは受験者にひたすら鉛筆で書くことを求めてくるアナログ型(?)の記述試験。スピーキングの試験も、パソコンに向かって録音するのではなく、試験官との1対1の面接形式で行われる。TOEFL iBTでは時間内に課題をこなす力が要求されるのに対して、IELTSでは試験官に対してどれだけ流暢に話せるかを示すことができるかがポイント。試験官も、受験生の力を試そうと思って突拍子もない質問をしてくることがあるし、受験生の力を見極めたと思えば、予定よりも早く面接を終わらせることもある。このあたり、試験および評価に対する英米の文化の違いが如実にあらわれていると言えそうだ。

イギリス英語の発音やイントネーションに慣れていないと、リスニング・面接で苦戦するかもしれない。イギリス英語はr音が脱落し、アメリカ英語に比べるとスタッカートがつく。イギリス英語のイギリス英語らしさは、この「切れ」のよさにある。試験前に集中的にイギリス英語を聞いて独特のイントネーションに慣れておきたい。

ところで、このIELTSという試験、昔はELTSと呼ばれていた。ELTS時代に試験問題は1種類しかなく、同じ問題が何度も、何度も、使われていた(時期がある)。受験者は、記憶が薄れるとされる3ヵ月以上間をおかなければ、再受験できなかった。思えば、毎回同じ問題が出題されるとは…なんとものどかな時代の話。