学習の秘訣

スマホ時代の大学生へ

高校で十分に英語を勉強し、センター試験や二次試験の難関を突破してきたみなさんは、もう十分に基礎的な力がついていると思います。・・・たぶん。そこで、その力を維持し、さらに伸ばしていくために、日常生活のなかに自然に英語を取り入れていくことをお勧めします。私の専門はメディアなので、いくつか役に立ちそうなメディアをご紹介したいと思います。あらゆるメディアで世界とつながれる現在、うまくメディアを使うことで英語に慣れ、英語力を上げることができると思います。机に向かうだけでなく、電車の中やトレーニング中などでも学習可能なので、時間を有効に使うこともできます。さらに、英語だけでなく、自分の専門分野や興味のある話題についても詳しくなれるでしょう。

1) 家にケーブルテレビがあったら・・・

英語チャンネルが入っていないか確かめてみましょう。CNNBBC Worldが入っていたら、日本のニュースでは伝えられていない海外のニュースにも触れることができますし、テレビは映像が付いているので、まったく英語がわからなくてもある程度内容を推測しながら視聴することができるでしょう。海外のメディアと日本のメディアの伝え方やニュース選択の違いも知ることができ、時事問題の捉え方も多面的になるでしょう。

2) 週刊の英字紙を読んでみよう

日本には、英語を学んでいる人向けの英字紙がいくつかあります。たとえばMainichi Weeklyなどはその時々のニュースが英語で書かれ、単語も併記されているので簡単に内容を理解することができ、週刊なのでカバンにしのばせておいて時間のあるときに勉強できます。とにかくたくさん読んで力をつけたいときには便利です。ニュースの内容も理解できるので、就職活動に向けても役立ちます。

3) スマホやケータイの表示を英語に変えてみよう

単純なことですが、みなさんにとって最も身近なツールの設定から言語を英語にしてみましょう。それほど難しい英語で表示されるわけではありませんし、わからなくても大体推測できます。毎日毎日触れていれば,こういうふうに言えばいいんだ、ということがわかり、英語で指示したりされたりも自然なことになるでしょう。

4) スマホ・アプリを活用しよう

あるいは無料、あるいは低額で活用できる英語学習アプリが山ほどあります。

たとえばTEDICTは世界中の人びとが面白いアイディアや事象や研究結果などを紹介するプレゼンテーションTEDのスピーチを聞き取っていくアプリですが、そのまま文字で打ち込むのが難しいようなら、単語を並び替えていくモードもあります。何度も聞き取っていくと、文章の構造が自然に身に付いてきます。内容も、自然、芸能、テクノロジー、生きる上でのヒントなどいろんなコンテンツがあり、そこから選んで試してみてください。次を聞きたくなると思います。

他にも、リスニングの能力を上げるための無料アプリ、TOEIC対策のアプリ、あるいはゲーム感覚で文法のテストができるアプリなどが山ほどあります!お気に入りのものを探して、ダウンロードしてみてください。名古屋大学でも、アカデミック・プレゼンテーションを行う上で役立つ表現を学べるアプリを提供しています。

5) podcastを使ってみよう

スマホ・アプリ、あるいはコンピューターソフトとしてPodcastがあります。これは数分から数十分の音声ファイルがダウンロードでき、それをラジオのようにして聞くわけですが、ここにもたくさんの英語コンテンツが蓄積されています。英検、TOEICやビジネス英語など英語学習のポッドキャストもたくさんありますし、BBCはニュースや英語学習、ドラマやコメディなどさまざまな番組を学習者用に提供しています。お勧めは6 minute Englishでしょうか。クイズを解きながら、その時々の話題を楽しく紹介してくれます。大学の建物を出て、駅に着くまでの間に一話聞けてしまいますね!メディアのプロでもないのに、Podcastのダウンロードで一位になってしまう人気コンテンツ、バイリンガル・ニュースで世界最先端の研究や若い二人の日常会話を聞くのも面白いです。

他にも、海外のラジオ番組などもコンテンツとして提供されています。

 

私が学生のときは、テープレコーダーとビデオ、NHKのラジオくらいしか英語を聞く機会はありませんでした。その時代と比べれば、現在使われているいろんな英語をメディアで簡単に得られるようになりました。みなさんがうらやましいです。しかしその一方で、インターネット上の情報のほとんどが英語で書かれていることや、学術雑誌が英語で出版されるようになっていることなどに象徴されるように、求められる英語のレベルもともに上がっているのを感じます。

英語ができることで広がる世界というのは間違いなくあります。完璧な英語ができなくても、英語の世界への垣根を下げるためには、普段から英語に触れていることが大事だと思います。ぜひ、気に入ったツールやコンテンツを身近において、英語と関わり続けてください。